- 内視鏡と切除ループを用いて膀胱腫瘍を切除する手術です。
- 尿道から内視鏡を挿入するため、おなかを切ることなく手術可能です。
- 切除した腫瘍は病理検査で深達度とがんの悪性度の診断を行います。
- 膀胱がんは、手術直後に膀胱内に抗がん剤を注入することで、再発率が低下します。順天堂医院では術後にアドリアマイシン系の抗がん剤を注入し再発予防を行っています
- 順天堂では関連病院を含めると年間900例近くの症例数があります。
膀胱がんに対する5-アミノレブリン酸 (5-ALA) による蛍光膀胱鏡を用いた光線力学診断(PDD) (ALA-PDD)
膀胱がんの手術の際に、これまでの内視鏡では確認することが難しかった小さながんや平坦ながんを、手術前に5-アミノレブリン酸(5-aminolevulinic acid:5-ALA)を服用し赤色に蛍光発光させることで、より確実にがんを診断することができます。5-ALAを内服すると、体内の正常な細胞ではヘム(血液の原料)に代謝されますが、がん細胞ではヘムまで代謝されずにその中間産物(protoporphyrinIX:PPIX)が蓄積します。このPPIXに青色の光を当てると、赤色に蛍光発色するという特徴があるため、それを利用することによりがん細胞と正常細胞の区別がつき易くなります。
われわれはTURBTの時にこの光線力学診断(photodynamic diagnosis:PDD)(ALA-PDD)を用いることで、より確実にがんを切除することを目指しています。
入院の様子
入院日 | 入院中の生活や手術・麻酔の説明があります。必要に応じて検査があります。 |
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手術日 | 手術室へ。手術時間は1時間程度です。術後は回復室でしばらく様子を見てからお部屋に戻ります。当日はベッドで安静にしていただきます。手術後は傷の安静の為尿道に管が入っています。 痛みが出たりする場合がありますので、適宜お声がけ下さい。 |
術後1日目 | 歩行開始、食事も可能です。特に制限はありません。 |
術後3日目以降 | 尿道に入っていた管を抜きます。管を抜いた後は排尿の記録をつけていただきます。 血尿の有無や排尿の回数など、排尿の状態を確認します。 |
退院日 | 午前中に退院が可能です。退院後は2週間程度で外来を受診いただきます。退院時に次回外来の予約票をお渡しします。 |
術後について
- 再発が非常に多い病気です。2年間に約半数の半数の患者様が再発すると言われています。このため 3ヶ月毎の膀胱鏡検査と細胞診検査が必要になります。
- 少量の抗がん剤を服用することで再発予防が期待されます。順天堂では再発予防のための抗がん剤内服等の取り組みを行っています。
- がんの種類によってはBCGの膀胱内注入による治療が有効な場合があります。
専門外来
膀胱外来
金曜 担当:平野 央
木曜 担当:武藤 智